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最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)514号 決定 1954年12月24日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人相沢庄治郎の上告趣意第一点について。

所論は、原審において控訴趣意として主張されず、原判決が判断を示していない事項について、第一審判決の違憲を主張するものであるから、適法な上告理由にあたらない。のみならず、憲法三八条三項の定める自白を唯一の証拠とすることの禁止は、もともと犯罪事実の認定に関するものであり、従って累犯加重の事由である前科の事実を被告人の自白だけで認定しても、憲法の同条項(および刑訴三一九条二項)に違反するものでないことは、当裁判所大法廷の判例の趣旨に徴して明らかである(昭和二三年(れ)一六八号同年七月二九日大法廷判決・集二巻九号一〇一二頁。昭和二三年(れ)一四二六号同二四年一〇月五日大法廷判決。なお昭和二五年(あ)一三九四号同二六年七月三日第三小法廷判決。昭和二六年(あ)一三三四号同二八年二月二〇日第二小法廷判決参照)。それゆえ、第一審判決に所論の違法もない。

同第二点および被告人の上告趣意は、いずれも量刑不当の主張であって、適法な上告理由にあたらない。

また、記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田 克)

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